2014年03月22日

霊魂の帰還

ふと 思いついてブックオフに寄った

また100円コーナーで新田次郎の

「月のしずく」 「あやしうらめしあなかなし」を買った

はずれたにしても百円だからという軽い気持ちだ。

やはりはずれた

すべて短編である

自分で書いて見るとやはり短編は楽だ

「月のしずく」は悲しい筋だてばかりで

みんな途中で止めてしまった。

最終章の「エピタ」に期待を掛けて読み始める。

ところが新大久保で中国食料品店を開く

李という人物と日本人女性の恋人が現れる。

李は福建省出身の設定、人の良い人物、

新田さんの取材不足だろうとおもう。

中国でも<福建省>は泥棒県として有名なのだ

こんな人のいい人物は想定も無理と

読むのを止めてしまった。

幽霊物語の「あやしうらめし・・」の「遠別離」は

筆の運びが洒脱だ

以前新田の「霞町物語」を読んで以来の衝撃だった。

六本木の丘の下に旧町名<霞町>という街があった。

六本木の丘から霧が下ってきて、よく霞が立つからだ

新田次郎の生まれたところらしい

六本木・防衛庁のあった場所が、歩兵第一連隊の駐屯地

で新田の父も入営した地元だ

だからくわしい、

第一連隊はニ・ニ・六事件にも参加した部隊で

この隊はレイテで3000人全滅して、東京出身者は一人も帰って来なかった。

そして50年後 幽霊になって六本木ヒルズの建築に作用するのだ。

            *

六年前亡くなった友人が、夜寝ていると

軍靴の音が聞こえて、自分の枕の上で

90度曲がって通過すると 私に語った

そんな音が聞こえるなんて あんた 死ぬんじゃねェ

その半年後 ほんとに死んでしまった

この小説もレイテ島から霊のみが、六本木に

帰還するのである

二百円の収穫はこの一作だけだった。

でも価値あり

posted by 花蓮 at 05:42 | TrackBack(0) | 日中感想

2013年11月26日

五族協和という夢

天気に進歩が無く、ただ晴れ 雨 嵐を繰り返して

いくだけ。

これと同じように人間の意識も進歩がなく

ただ変化を経験していく

日々進化を期待して、うまくいったと思うと

また百歩あと戻りして、数年前経験したのと

同じ苦味を味わったりしている。

進歩したと<小躍り>したのは錯覚だったのか。

中国は千年前と同じく、相変わらず他人の物を欲しがっている。

盗人根性は進歩しないのだ。

昨日 満洲の事を書いたが、満州国が消滅して

良かったのかも知れない。

五族協和という満州国理念の基に

日本人、朝鮮人、中国人、満州族、蒙古人

の五族が揃うことは土台無理だったのだ。

朝鮮人、中国人と暮らしてはならない。

勿論これは<民族としての個性>の事をいっているのである

個人の付き合いは別次元の話。

今日の天気は薄日が差しているが昨日は寒い雨だった

昨日と全く違う

でもこれを進歩と言わない。

posted by 花蓮 at 10:52 | TrackBack(0) | 日中感想

2013年11月23日

異邦人たちの道

昨日の日本語学校の前

十二時のチャイムが鳴る

いろんな人が出入りする

市民モミュニティセンターなので 若者から老人まで

西洋人らしい人種、インドらしい人もいる

妻を迎えに行って早く着いたので人の流れを見ていた。

ごめんごめん 先生が終わらないのよ」

傘を差しながら車に駆け込む

ふと見ると二十代の子も付いてくる

クラスの中国人よ 駅まで乗せてって

バックミラーで見ると 可愛い顔をしている

妻との話の中で

この子の主人は50歳 収入少ないので

駅前のマッサージで見習いするの

また決まりの金なしか、いつもこれが原因だ

彼女二日目だけど、どうしても男の身体が洗えないんだって

スーパーで働けばいいのに」

「日本語がだめなのよ

危険が口を開けて待っている

2〜3年 して会ったら もう慣れて”ごしごし”

洗ってるようになってるだろう。

今の純な顔に ドギツイ口紅差して、

なんとかしてあげたいが 

どうしようもない

日本社会の正規をはずれた者達の

厳しい現実をまた見てしまった。

posted by 花蓮 at 09:55 | TrackBack(0) | 日中感想