2020年01月19日

 鎌倉幻視  湘南モノレール

大船で東海道線を降り 湘南モノレールに乗る
終点は江の島だ
天井のレールから片腕一本でぶら下っている
真下を走る自動車に触れそうだ
田舎者には驚きだった
十年ほど前「気づきのセミナー」というやつに
のめり込んでいた。
その会場は東西線の佐賀町にあった
木場の運河が流れている東京下町である
心を解放するというので初日からディスコミュージック
大音量で掛けておどかすのだ
普段背広にネクタイのわたしには身がすくむようであった
三日間にいろんなカリキュラムが組まれている
自分の心の秘密を暴露する時間もある
五六人のグループに分かれる
綺麗な二十歳くらいの女の子が
だまりこくって 胸の内を明かさない
もちろんわたしも偽の悩みを言って
誤魔化した。
その子も五分以上黙っていたが
みんなにせめられて涙を流して
語りはじめた
”わたし父に犯されたの”
世に聞いていたがまさか目の前に
そんな体験を語るなんて
手先から背中に毛がそばだっていくのを感じた
女ずきのわたしも掛ける言葉を失った。

 (鎌倉幻視その一 つづく)
posted by 花蓮 at 07:45| Comment(0) | 日記
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