2018年10月10日

 エジプトの憑依霊は だれ

惜しい事をした。オベリスクの台座に登った女は
同行女性陣の中でほとんど喋った事の無い人だったので
それっきり追跡しなかったのである。
ツアーはその午後 ナイル川を下る1泊の船に乗った
そこで惚れっぽい私はドイツ人観光客一家に出会って
しまった。両親に娘ひとり、この娘がクリスチーネカウフマンに
そっくりな面立ち、一目で心を奪われた
デッキで砂漠を見ながら立ち話をする機会があった。
「僕は二十歳の時ドイツに行った事があるよ、その時出会った
彼女がゲルトルーデ・ツェッヒマイスターって言うんだよ」
「あら 私の名もそうよ」「え〜」
  ニコッと笑って「冗談よ」
ナイルの川面を見ながら私の心は天まで上った。
もともとドイツ人は好きだ高校時代ヒトラーのマイカンフ(我が闘争)
を読みたいと思った。ドイツ語の壁は厚く挫折
船の名前は「ナイルロマンス」
いま一度ルクソールで船に乗ったら彼女に逢えるだろうか
とにかく憑依霊のことは忘れて彼女の事で頭がいっぱい
その夜は各国の船客で仮装パーティーがあった。
フロントで衣装を貸してくれる。
彼女はアラブの女に仮装 「よし 俺も」
張り切って ブリーフ一枚になって禿げ頭と髭づらは薄ベールで隠した
ディスコの終わりころ舞台には彼女と私しか残っていない。
東京で習いたてのステップをすると彼女も同じようについて来る。
「このまま時間が続けば・・・おれもルクソールの自縛霊になってもいい」
翌日 テンデラという遺跡の街でドイツ人一家は下船していった。
波止場での後ろ姿が焼きついている。
(エジプト霊の話 終わり 尻切れとんぼ)

posted by 花蓮 at 10:36| Comment(0) | 日記
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