2014年05月29日

ハルピン物語始末

Dscf0505_4

散歩の途中 県立図書館に寄った

ポケットには百二十円が入っている

何か飲みたいと思っても

一円も持っていない事が度々あったからだ

大きな玄関ホールの中はひんやりしている

薄暗い自販機室でミルク珈琲を買う

それをポケットに入れて閲覧室に入って行った

「相談の席」を見ると先日 木で鼻をくくった

ような兄やんは居ない。

その代わり高校生のような、生々しい女の子が座っている

「あの〜 ハルピン物語を探しているんですけど」

「わかりました 」

彼女はPCを叩く

「この図書館には ございません」

「私 ここで借りた事があるんですよ」

「・・・・・」

「それなら 有ったんですね!」

「あなた  素直に俺の話 信じてくれるんだね!」

「実は先日 同じ質問をここでしたんだよ」

「あなたなら ハルピン物語が出て来ると思って」

「考えられるのは ハルピン物語が返却されなくて

 除籍されたのかもしれません

(一番納得の行く説明だ、この子は素晴らしい)

この本は絶版になっているので

図書館では中古は買えないんです

契約の書店から新刊だけ」

「俺は 帯付の新刊のような ハルピン物語を

アマゾンで買ったんだよ、

 寄贈しようか」

「えッ 本当ですか 有難いです」

純朴な彼女は 喜びを表す

ハルピン物語は この県立にあるべき読み物だよ

冗談で口から出たのだが

私が死蔵するより この県立で 

”満洲好き”

読んでもらった方が良い。

気持ちの良い会話の時間だった

見廻したが <公務員病の兄ちゃん>は

姿が見えなかった。

私の会社ならすぐ首にするのに

でも雀も鷹も 存在する理由があるのだ

と思うのだった。

posted by 花蓮 at 08:37 | TrackBack(0) | 体験集
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/178355477

この記事へのトラックバック