2020年02月26日

 鎌倉幻視

話しは鎌倉へもどろう
車庫の奥にはもう一本上り坂があって
それは車用らしい
僕と麗子は歩いて階段を昇り
地上に出た
そこは僕の知らないもう一つの鎌倉だった
青空の下 ローンテニスコートが広がっていた。
本物の富豪の一端を見た
鎌倉は山が馬蹄形に囲んでいて由比ヶ浜が海に
開けている
山に七つの切通しがあって外と繋がっている
この馬蹄形の内部が問題なのだ
開幕以来百子十年の間に
幾多の一族が根こそぎ殺された
畠山、三浦、比企氏など枚挙にいとまがない。
屋敷跡街角など鎌倉のいたるところが
殺戮の現場だ
とくに幕府滅亡の日 東光寺に集まった鎌倉武士
九百名がもはやこれまでといっせいに腹を切ったのである
そんなところにのんきにふらふらと立ち寄ったら
たちまち憑依霊に憑りつかれ餌食になってしまう。
こんな事も知らない僕の高校の同級生が
弁護士になって鎌倉に家を買った
だれの屋敷跡だたのだろう やがて原因不明の
高熱が出て死んでしまった。
鎌倉に住める人は霊的障害のないひとだけ。
鎌倉山に話を戻そう
市役所前のトンネルをくぐって外に出ると
鎌倉やまのもう一方の登り道がある
麗子の家へと続くみち
かまくら山は「霊障」の圏外なのである

   (鎌倉幻視続く)
posted by 花蓮 at 10:17| Comment(0) | 日記

2020年02月18日

 鎌倉幻視にまだ戻りません 

もうひとり好きな女が居たのです
その人の名は大村由紀子
私が昨日午前の診察を終えて彼女のいるデイに行った
外は雪だったがドアが開くとそこには季節はずれの
ひまわりが咲いていた
むかしソフィァローレン・マルチェロマストロヤン二
主演のひまわりと言う映画を見た
地平線まで続くひまわり畑 あの強烈な印象はまだ鮮やかだ
デイの玄関には由紀子のひまわりのような笑顔があった。
なんでだろう
由紀子にはまだ十回も会っていない
初対面から笑顔だった
私は禿げ親爺だ
彼女は笑う必要がない
なぜだ
詮索はともかくうれしくなった
先回も書いたが日本人形みたいに前髪を切りそろえている
背は165センチくらいむだな肉はない
だから入浴介助のショートパンツ姿はすらっと伸びた足が
まぶしい
”〇〇さんいらっしゃい”
だきしめたらどんなに心地いいだろう
「きょうは病院行ってきておそくなったんだ」
”昼食まだでしょ あなたの分とってあるわ”
「ありがとう」
”でも先に入浴する?”
浴室は由紀子とふたり
スポンジは又と肛門をさりげなく洗う
二人で暮らしたらまいにち洗ってくれるだろうか
{・・・・}
身体を吹いてくるとき そっと髪に触れてみる
セクハラと騒ぐだろうか
由紀子はそしらぬ顔をしていた
 越後の女だ
彼女は黙っている わたしは満ち足りている
初恋の詩集を思い出すなんて 時代遅れだろうか
 ”まだ上げそめし前髪の林檎のもとに見えしとき”
越後のひまわり おわり  明日は鎌倉幻視に戻ります












posted by 花蓮 at 12:44| Comment(1) | 日記

2020年02月17日

鎌倉幻視・本日中断・

今日とても嬉しい事があったので
それを書きます。
令和弐年二月十七日朝から介護タクシーを呼んで
M病院に行った。
定期検診である
M病院は新しく立て替えで6階建てになった
K子は一年まえの旧病棟から受付にいる
眉毛が太くて私の心の中にこの一年住みつづけている
二十二 三歳であまりも若いので遠慮して最小限の口しか
聞いた事が無い。
五六年前癌で死んだ飲み友達がいた スナックで言われた
”中ちゃん あんた分りやすいね 好きなこが付くと
顔がくずれるんだよ”
「おれってそんなにわかりやすいか」
K子は付きまとっているのをとうに承知しているのだろう
去年の九月と十二月私は病院行った
受付をすますと真っ直ぐ売店行き
最中、あんドーナツ、羊羹を買い込んだ
ふと見るとK子が後ろに立っているではないか
”体に悪いもの買わないで”
「そんなこというと老人は誤解するよ」
二回とも受付から抜け出して売店まで来たのである
他人にはつまらない事かもしれないが
老いらくの慕情が燃え上がった
今日は受付には居ず、休みかとがっかりしていた
血液検査を終えて廊下のむこうを夢に見た姿が走った
「あっK子だ」
見間違いはしない
診察室の廊下で顔を見た
「今日休みかと思ったよ」
「わたし〇〇さんが来たの知ってたのよ」
どこで見ていたのだろう
うれしさが身体を満たした
二十三歳のこが言う言葉だろうか
霊界から親友がつぶやいた
「おまえ はやとちりするなよ」
K子のまぶたにつけたラメがピカッと光った

令和二年二月十七日の出来事 − 鎌倉幻視中断
つぎは鎌倉幻視に戻ります
posted by 花蓮 at 22:12| Comment(0) | 日記