2011年05月26日

花と蛇 終章 モンテンルパの巻

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    <マニラ湾の夕日>

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  <銀翼連ねて 南の前線 必ず勝つぞと・・>

小向美奈子似のあきチャンは横から見ても何処から見ても
魅力的、おまけに法律事務所に勤めていたので理詰めで話します
フィリピン人には珍しいタイプ

この国がチャンとしてれば、私なんて相手にしないだろうと思いました。
国が弱ったら が苦労します
戦後の暗闇に<愛国乙女>が身を堕したように

翌日は「モンテンルパ」に行きました
ここは戦後 山下奉文大将が処刑されたり
何百人の陸軍将校が戦犯で捕らえられたところです
あまり行きたくなかったのですが、親友とその友人の
レンタカー屋さんが手配してくれたのです。

草生したところに 日本軍人の墓がありました

せっかく戦後まで生き延びたのに、戦犯という勝者の理屈で
絞首刑になった人達です

グアム島が落ちた末期、まだフィリピンでは陸軍戦車隊と
歩兵師団がマニラの北の山岳地帯で戦っていました

マニラ市街戦も激しかったと「戦記」には書いてあります

私がまた落ち込んでいると、美奈子は「ラバウル航空隊」を
歌いだしました。 覚えていたのです
中国のように反日教育がないので、軍歌でも彼女等は平気です

〜銀翼連ねて 南の前線 必ず勝つぞと 海鷲達が〜〜

日本でこれを歌うと私が元気になるの知っていたのです。

心の細やかな女です

最後の晩は、飲めや歌えの大騒ぎ

でも彼女は 別れの時間が迫ってきているのを知っていました

posted by 花蓮 at 11:07 | TrackBack(0) | 日本の事

2011年05月25日

花と蛇(5) コレヒドールの巻

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次の日はマニラ湾に浮かぶコレヒドール島に行ってきました
私は<美奈子似>、友人は小太りネェちゃんを連れて

島に渡る連絡船を降りると日本人とその他外人は分けられます
その意味が判りました。
ガイド内容が違うのです
マッカーサー率いる米軍を日本軍が猛攻で島から追い出しました
が戦争末期今度は米軍が再度、雨あられの艦砲射撃で壊滅しました

島には生々しい激戦の跡が保存されています
壊れて砲身が千切れた大砲が戦場の惨劇を物語っていました
戦艦武蔵は沈んだ後、生き残った陸戦隊がコレヒドールに居た
事を初めて知りました

戦争の衝撃に<小向美奈子>もそっちのけで涙が止まりませんでした


別な「他国人グループ」と分けた意味が判りました
たいていの日本人は衝撃を受けて、慰霊の気持になるのです
女好きの<二人>も しばし黙ってしまいました。

コレヒドール島で沈んでしまった気持を帰って来て

夜の街に出て晴らそうという事になりました
もちろん彼女達は日本人と違って平気です

「なに落ち込んでいるの 明るくやろう」

「何食べる?」 

posted by 花蓮 at 09:17 | TrackBack(0) | インポート

2011年05月24日

花と蛇 番外編(4)

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                                <夜のマニラ>

やがて二人とも酔いが廻ってきました
友人はアンルイス似の彼女と出来上がっているのがわかります
わたしは<美奈子>が気になりますが、そこは目の前の女性に
ふら〜と行きます。
店の照明が一段暗くなって、一糸まとわぬ女達が踊り始めました

え〜 なにもきてねェ」 「日本じゃ見れないよ

日本のピンパブなんて 可愛いもんだね
我々は興奮してきました

<ルイス似>も何も着ていません

観光客じゃ来れないとこだよ」 友人は自慢気に言います

ホテルへ連れってくれというのを振り切ってやっとの思いで

外に出ました。

こりゃ フィピリピンに狂っちゃうよ

そろそろ夕食だから ホテルに帰ろう
あなた 昼どこへ行ってきたの」
「う〜ん 何て言ったッけ あのスペインの砦」

リサール砦 そうそう そこに行ってきたよ」
まさか<美奈子>に バーへ行ったなんて言えません
 

    続く

posted by 花蓮 at 10:12 | TrackBack(0) | 旅行