中国の旅で一番感じるのは公共のマナーの悪さでしょう。前を歩いていた青年が飲み終わったペットボトルをポィと捨てました。アイスの袋をどうするかなと見ていると全く無意識にその場に落とします。どうしようかなという意識は全然ないようです。長距離列車に乗るときは狭い入り口にわれ先に殺到します。座席は一人でも荷物を置いて横になり二人分確保しています。車掌が30分おきに足を上げさせて座席の下を掃除にくるとそのあと客はかまわず下へ捨てます。結果として終着駅ではきれいな床でした。タクシーは0.1秒の差をぬってすこしでも前へ前へ、わたしも思わず"そこへ割り込め"遅い車がいると"何してるんだと"と心の中で叫んでしまいます。歩道は痰のしみがいっぱい、吐く前のうなり声が聞こえるとしぶきが掛からないように自分の速度を調整します。こんなことを羅列すると嫌悪を感じるかもしれませんが、私は案外寛容に受け止めています。いいじゃないの!って感じかな。スウェーデン(行ったことがない)とどちらがいいと聞かれれば中国。
朝の公園は別人の国です、鳥かごを持った人が木陰に集まって鳴き声を比べています。いい大人が二十人も輪になってバレーボール、時々強いアタック、あっと思うと上手にレシーブ。筋肉派は別の木陰でダンベルの競い合い。薙刀を振り回して時代劇の世界にいる人達。50人くらい夫人達は軽快な踊り、背の曲がった老婦や豊胸腰のくびれた美人までみんな楽しそう。はげたオジサンがローラースケート。日本の朝は忙しそうなのにこの余裕はなんだろうと見ていますがどんなに考えてもはわかりません。私が踊りの輪に入ってもだれも不思議がらないでしょう。エゴが無くなった朝の人達、考えないで踊ろうか!*写真:鳥かごを持ち寄って鳴き比べ:太極拳*